和而不流(和して流れず)

Columns

第17回統一地方選挙を終えて

自民党は新陳代謝が課題で、政治家を志す若者を養成しなければならない

第17回統一地方選挙は4月10日に都道府県、政令市の首長、議員選挙の投開票が行われた。全国的には民主退潮を印象づけ、自民、共産など既成政党の勢力は伸び悩みとなった。保守王国と言われる島根、鳥取では、現職知事がともに9割近い得票で信任されたが、県議選はいずれも自民が議席を減らした。島根県は、松江、出雲など8選挙区で小生を含めて26人が無投票当選したが、投票が行われた6選挙区で、自民、民主の現職各1人が苦杯を喫した。
自民と民主の議席を比較すると、自民系は前回よりも2議席減らし23議席、民主系は2議席増やし9議席となった。わが自民党島根県連青年局に在籍する候補者のうち、2人が10…

国は平成23年度予算を全面組み替えし、政策転換すべき

オールジャパンできちんとした経済運営のもとに震災対策を講じないとインフレと金利上昇を招きかねない

東日本の震災の影響からか建設資材や住宅関連物資がジワジワ値上がりし、供給不足が顕在化してきました。一時的に円高が急伸しましたが、為替管理をしっかりと行い、注意深く経済運営を行えば、デフレギャップに苦しんできた日本ですが、GDPの5%が消失したと言われる大震災によって一気に解消するかも知れません。
最近発表された『「子ども手当」「高速道路無料化」「高校無償化」「コメ補償」“4K予算”はすべて廃止して、年10兆円を超える存分な復興資金を投じるべき』とする、三橋 貴明氏(作家、経済評論家、中小企業診断士)のレポートを紹介します。

日本の建設投資…

ポジティブリストの落し穴

早急に厚生労働省は暫定基準の見直しをするべきだ

福島県や茨城県で水道水や農林水産物から「国の暫定基準値を超える高濃度の放射能が検出」と報道されている。決まって「通常の摂取では健康への被害はない」と付言されるものの、日増しに問題とされる産品と地域の範囲が拡がり、飲料水や食品の安全性への懸念と風評被害が深刻になるに違いない。下手をすれば、海外に「日本産はすべて放射能汚染」とされる恐れもある。
平成15年に食品衛生法が改正され、ポジティブリスト制度が導入された。当初、農産物に対する登録農薬の残留基準値の設定が優先されたため、多くが「暫定基準値」のまま施行され、現在に至っている。平成18年、宍道湖周辺で水揚げされたヤマトシジミから…

被災住民の救難のためトップの大胆な決断を

東北地方太平洋沖地震から1週間が経過しました

東北地方太平洋沖地震から1週間を迎えた。大津波に見舞われた東北の太平洋沿岸の被害は甚大で、発表された死者・行方不明者は1万5千人を超えたが、震災被害の全容は依然明らかにされないままである。食糧や燃料などの物資不足は解消されず、被災地の救難どころか、福島第1原発の事故が、周辺地域の市民生活や経済活動に重大な影響を及ぼし始めている。
政府や東京電力は「想定外」を繰り返す。地震の規模を示すマグニチュード9.0は日本国内観測史上最大で、津波は15mに達したと言われる。しかし、水素爆発を「大きな音がして白い煙が上がった」などの担当者の会見は、事実を矮小化する意図があり、結果として事故の…

マス・メディアに左右されない政治に必要なもの

Eポリティクス (e-politics) に期待したい

アメリカで若き上院議員ジョン・F・ケネディが、メディアを活用して、本命のニクソンを下し、大統領選挙に勝利してから、かれこれ50年となり、日本でも、日本新党の若い候補者たちがテレビ討論などを利用して大躍進し、55年体制を打ち破ってから20年近くが経過しました。
テレポリティックス (telepolitics)と言われる選挙戦略は、マス・メディアに取り上げられるようなスローガンやキャンペーンを繰り広げることによって、間接的に有権者に働きかけるものですが、小泉首相の「郵政選挙」、民主党の「政権交代選挙」をはじめ宮崎、大阪、名古屋の地方選挙で明らかなように、有権者の選択にとって、政策…

菅内閣のガバナンスが問われる

与野党は「政権ごっこ」に訣別を

日本は議院内閣制を採用している。議院内閣制とは、議会を代表して総理が内閣を組織し(憲法68条)、その合議によって「行政各部を指揮監督」(憲法72条)することで、行政府を運営していく仕組みである。民間企業でいえば、総理は“CEO”であり、内閣は“取締役会”であり、各省庁は“事業本部”にあたる。
CEOの経営方針が見えず、重点投資する事業分野がコロコロ変わり、取締役たちが勝手な発言を社員や顧客の前でするようになったら、企業経営は破綻してしまうから、意思決定や執行の仕組みを確立することは経営者の最低限かつ最重要…

「平成23年」年頭所感

「備える」

平成23年の年頭にあたり、あらためて自らに「何のために政に参画するのか」を自答した。小生は今春、数えて6度目の選挙を迎える。JUMP21を旗印にした政治活動は一貫して「次代に備える」であり、取り組むべきテーマは「地域再生」に変更はない。
昨年は、円高、尖閣事件、TPP、朝鮮半島の緊張、口蹄疫、鳥インフルエンザなど、息つく暇もないほど「どう対処するか」という目前の対応に追われた1年で、「どう備えるか」がほとんど語られることがなかった気がする。年末年始のドカ雪による交通マヒなどはその証左だと思う。
詩人、坂村真民先生の「あとからくる者のために」に、小生が取り組むべき姿…

国の23年度一般会計予算案を見て感じること

増大する社会保障費をどうするのか

内閣と民主党に対する支持率が急速に低下している原因は、党内対立で政策を一本化できない状況が続き、閉塞した社会システムの改革に全く着手されないことにある。菅首相は社民党やたちあがれ日本に閣内、閣外の協力を要請をしたとの報道がされているが、これは「政策原理に基づいて政権運営を行う」という政治の基本原則を無視する単なる「数合わせ」であり看過できないものである。
政権交代から1年余が経過し、民主党政権の経済・財政政策の破綻は明白で、歳出の組み換えと無駄の洗い出し、埋蔵金で16兆円余の財源を捻出するという主張は不可能と判明した。しかし、子ども手当や所得補償などの歳出は見直しされずに23…

事業仕分けについてついて思うこと

予算編成に対するチェックは議会に役割があり、国政では野党が担っている。

政府の行政刷新会議による3回目の事業仕分け11月18日に終了した。自民党政権による予算に切り込んだ昨年の仕分けと異なり、閣議決定した新成長戦略をもとに自ら編成した予算を評決することに対し民主党内で事業仕分け不要論も出るなど仕分け自体に疑問が示されている。
従来、一度計上された予算費目は、翌年以降の要求段階や査定段階で「必要か否か」が必ずしも十分吟味されず、「執行の実態」についても効果の判定が緩いという面は否めない。公開の場で政策の目的や効果についてきちんと説明し、評価をうけるという事業仕分けの手法は、執行側の説明能力や規律を高めるとともに、民間人の価値観を反映させることによっ…

民主党代表選のツケ

100日間の政治空白をどうやって埋めることができるだろうか

日本の政治空白を見透かしたように9月7日、中国漁船の尖閣領海侵犯事件が発生した。停船を命じた海上保安庁の艦艇に体当たりして、船長が公務執行妨害で現行犯逮捕された事件は、首相官邸の危機管理に対する認識の甘さが露顕したばかりでなく、予測された中国の強硬姿勢への対応策を怠った外交当局のミスによって、大きく国益を損なってしまった。日本の領海で発生した公務執行妨害事犯が、地検の「外交的配慮」によって、起訴もされずに、処分保留のまま釈放されることなど、法治国家として「あり得ない」事態であり、事実上、「中国の圧力に屈服したも同然」の外交的な敗北を喫した、きわめて後味の悪い結末となった。
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