和而不流(和して流れず)

Columns

言葉をもって国民を説得することが政治家の役割

『優先するものがあれば、何かを後回しにするという姿勢を示すべき

第49回衆議院議員総選挙と最高裁判所裁判官国民審査が10月19日に公示され、10月31日の投・開票日までの12日間、『政権担当は我こそ』との戦いが始まりました。
与党(自民党・公明党)は再選が確実視されていた菅首相のコロナ禍の対応を巡って支持率が急落したことを受けた総裁選不出馬によって、新たに選出された岸田首相を『選挙の顔』として前面に押し立て、対する野党は立憲民主党と共産党、社民党、れいわ新選組が小選挙区での候補を一本化して臨んでいます。
新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミック収束は政党やイデオロギーを超えた課題ですから選挙の争点にならないのは当然ですが…

保育職は使い捨てではない

保育や学校の現場にこそワクチンの優先接種をすべきだ

出雲市の認可保育園と認定こども園の法人理事長と施設長で構成する出雲市認可保育園(所)理事長会は、5月17日の令和3年度総会の開催を前に、総会の席上で行われるこども未来部長の行政説明での言及を期待して、出雲市に対して新型コロナウイルス感染症に関わる要望事項を伝えた。
要望の要旨は、出雲市保育幼稚園課から市内の保育施設に発出された新型コロナウイルス感染症対応マニュアルには、保育園(子ども園)の園児および職員、保護者ならびに同居の家族等が感染または濃厚接触者、体調不良となった場合の対応や市への報告、休園、登園停止などについての指示事項が記載されているが、保育現場の安全を図り、危機管…

出雲市長・市議会議員選挙を終えて

市民は極めて冷静だった背景に『一体化』と『一体感』の深化がある

新型コロナウイルスで低迷する産業の支援や雇用の確保などを争点に4月4日に告示された出雲市長選挙は、川光秀昭(62)、小豆澤貴洋(46)、飯塚俊之(55)の3人が立候補しました。告示前の3月21日に開催された公開討論会で、川光さんは「新体育館の建設よりもコロナ禍の市民生活の支援を優先すべき」とし、小豆澤さんは「教育や福祉、子育ての充実で人が集まる出雲市にしたい」と訴え、飯塚さんは「オール出雲でコロナ禍を克服し、次代に希望と美しい環境を引き継ぐ」と述べるなど、3人の候補者が思い描く出雲市像には違いがあり、4月11日の投・開票の結果、飯塚俊之さんが49,515票を獲得し、第3代出雲市長に当選し…

令和3年年頭所感

「安心立命」

令和3年の年明け早々に小生の頭に浮かんだ言葉は「安心立命」。何故、念想したのかは全く不明ですが、調べてみると、その意味するところは「人事を尽くして身を天命にまかせ、いかなるときも他のものに心を動かさないこと」で、出典は、中国・北宋時代の『景徳伝灯録』にあるとのことでした。令和2年は、新型コロナウイルス感染症に翻弄された年でしたが、同僚議員2名の急逝や2人の孫(小生にとって6番目と7番目)の誕生、義母の見送りなど、身近な人たちの生死が相次いだ年でもあり、改めて、自らの持ち時間を意識させたのかも知れません。
論語の雍也篇には「子曰、知者樂水、仁者樂山、知者動、仁者静、知者樂、仁者…

日本の領土・領海を守ると言う意識

『北方領土・竹島・尖閣諸島パネル展』によせて

領土・主権対策企画調整室(領土室)は2012年11月に設置された「竹島問題対策準備チーム」を改組し、2013年2月、「尖閣諸島、竹島、北方領土などの領土をめぐる日本の主張を発信すること」を目的に内閣官房に設置された政府機関です。
北方領土問題その他北方地域をめぐる諸問題の解決促進に関する事務は、内閣府の特別の機関として「北方対策本部」が組織されていますが、竹島問題を所管する政府機関は今日まで設置されておらず、日本政府に「竹島」の名がついた機関・部署は3か月で消滅しました。
領土室は2018年1月に日比谷公園内の市政会館に「領土・主権展示館」を開設し、竹島や北方領土…

新型コロナによる田舎回帰の機運を逃すな!

人口急減地域特措法の施行を生かして雇用と所得の確保を図れ

地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律(人口急減地域特措法)が令和2年6月4日から施行となり、地域の事業者が協同して組合をつくり、職員を雇用した上で、農林水産業、商工業等のそれぞれの事業者に派遣するための仕組みである「特定地域づくり事業協同組合制度」がスタートしました。
「特定地域づくり事業協同組合(事業協同組合)」は、地域人口の急減に直面している地域で、都道府県知事の認定をうけた中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合が特定地域づくり事業(労働者派遣事業等)を行う場合、社会保険料を含む人件費や組合運営費について財政支援を受けることができる制度で、…

経済の回復には『安全』と『安心』の確保が前提

検査体制の確立とワクチン・特効薬の開発を急ぐべき

新型コロナウイルス感染症の新規感染者数を表すグラフを見ると、3月下旬から急上昇し、4月中旬をピークに下降し、5月中旬からは小康状態を保っています。政府が感染の多い7都府県に対し新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言を発出した4月7日の新規染者数の368人が4月11日の720人をピークに下降し、5月の連休明けの感染者数は2桁になったことは、紛れもなく宣言の効果ですが、「経済を廻す」として、自粛の全面解除を行った6月19日の以降の新規感染者数は急増しています。PCR検査の受検数が大幅に増加したことで陽性率は4月の30%から5~6%となり、重症化や死亡に至るケースはそう多くないことから「大事無い…

2020年頭所感

「若く見える」

天皇のご退位により平成から令和への御代替りと時を同じくして島根県でも溝口知事から丸山知事へトップが代わり、大きな時代の変わり目到来を実感するとともに、小生が地方政界に身をおくようになって30年となり、頭髪が薄れ、視力が衰え、足腰が痛み、周囲に同世代の姿が少なくなったと気が付くに至って「残りの時間」を意識する身の上となりました。
近年、とみに「年を取ればわかる」と言う父の言葉を思い出しますが、見えていなかったものが見えるようになり、年を重ねて痛みを知り、人に対して優しくなるのは真実だと思います。道元禅師の正法眼蔵に「愛語能く廻天の力あることを学すべきなり。愛語は愛心よりおこる …

日本人の精神性の喪失を懼れる

「『ほどほど』が良い」という意識を持つ

関西電力の役員に対する巨額な金品贈与を聞き、日本人の社会通念と「ほどほど」の意識が壊れてしまったように感じますが、この事象の発覚が国税局の指摘と聞き、最近の事例を思い起こしました。
一例目は、ソフトバンクの課税逃れです。ソフトバンクの2018年3月期の連結売上は過去最高の約9兆1587億円で、純利益は1兆380億円と発表されましたが、週刊現代によると、2018年に携帯キャリア事業を子会社化し、2016年に3.3兆円で買収した英国半導体大手のアーム社の株式の一部を子会社に移管した際、アーム社株の時価評価額が取得価格を1.4兆円下回ったとして税法上の欠損処理によって課税利益を相殺…

自民党島根県連の正常化が急務

混乱を収拾するカギは国会議員の手の中にある

6月7日に松江市内で開催された自由民主党島根県支部連合会(自民党島根県連)所属の県議会議員で構成する常任総務会で福田正明幹事長の不信任動議を提出しました。小生にとって福田幹事長は永年にわたって薫陶を受けてきた先輩で、尊敬する議員であることは今もって変わりませんが、「会長不在」を理由に総括を行わず、県連役員の多くが辞任したままの組織体制で参議院議員選挙を迎えれば、分裂状態が長期化・固定化するおそれがあると考え、お叱りを覚悟の上で、敢えて一石を投じました。
今春の知事選挙に至る経過は、自民党島根県連が1月9日に東京都内で開催された国会議員と県連役員で構成する選挙対策委員会(11名…

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