和而不流(和して流れず)

Columns

個人消費の伸び悩みには理由がある

財政資金の投入ではデフレは脱却できません

内閣府が8月16日に発表した2010年4~6月期の国内総生産速報値によると、物価変動の影響を除いた実質が前期比0.1%増(年率0.4%増)となった。輸出は好調だったが、政府の景気対策の息切れなどから個人消費が伸び悩み、前期(年率4.4%増)に比べ大幅に減速し、3期連続のプラス成長にはなったものの、物価の影響を含む名目は前期比0.9%減(年率3.7%減)で、2期ぶりに名目が実質を下回り、デフレ状況を示す「名実逆転」に戻った。実質GDPを主な項目別に見ると、全体の6割弱を占める個人消費は前期比0.03%増と5期連続のプラスとはなったものの、伸びは前期(0.5%増)より鈍っている。企業の設備投…

いったいこの国はどうなってしまったのでしょうか

乳幼児の放置や高齢者の所在不明が「異常」でなくなっている

大阪で乳幼児2人が白骨化死体となった事件に戦慄を覚えた刹那、40399人と発表された100歳以上高齢者数のうち所在不明とされる案件が続出している。もはやこの国に「常識」が通用しない国になってしまったとさえ言える状況に絶句する。児童虐待には「児童相談所が十分な対応をしていない」、高齢者の所在不明には「福祉事務所は何をしているのか」との批判はもっともではあるにせよ、その前に、「地域社会は」「家族は」と問いたい。個人情報保護法の施行によって、警察官の地域巡視が難しくなり、核家族化の進展により介護や子育てに対する社会化要求が増大する一方で、家族の絆や地域社会との関わりが希薄になってきたように感じ…

自民党は再生しなければなりませんが・・・・

領域、能力、資源の3つの要素を活かす組織運営が必要だと思います。

企業戦略の要素は「領域」「能力」「資源」の3つだと言われます。領域や範囲、領土を「ドメイン」と言いますが、「企業の活動の範囲や領域」を示す企業ドメインをどう定義するかが、企業の発展の在り方を決定づけることになります。「我が社は何をする会社か」ということがきちんと社員に理解され、顧客に認知されることで、進むべき方向性が明確化になり、組織の一体化が図られるわけです。
コア・コンピタンスとは「他社に真似できない核となる能力」のことですが、激動の時代に競争力を保つためには、過去のデータやシェア、利益などの精緻な分析よりも、自社のコア・コンピタンスを正しく認識・理解して、柔軟かつ大胆に…

責任を果たすこと

議会人としては国会論戦に期待したい

真夏の衆議院選挙の結果、自民党から民主党に政権交代してから半年が経過した。「政・官・業の癒着を排し、マニフェストを実現するために、脱官僚依存、かつ、政治主導で、スピーディに政策を実現する」という新内閣の方針に多くの国民は期待し、大きな支持を与えた。「予算査定の透明性を高め、徹底的にムダを排除する」と銘打った事業仕分けに拍手喝采した人たちは閉塞感からの脱却を希求し、鳩山内閣の予算編成を固唾をのんで見守った。しかし、現実は、鳩山首相、小沢幹事長に続いて小林議員がカネにまつわるスキャンダルを抱え、一様に、自身は「知らない」を繰り返し、責任はすべて秘書に転嫁する一方で、税収の1.5倍もの国債発行…

年頭所感

『四耐四不訣』

19世紀の半ばの中国(清朝)にあって、弱体化した清軍に代わって湘軍を組織し、「太平天国の乱」の鎮圧に功績を挙げ、清朝に仕える漢民族として初めて直隷総督・両江総督に任ぜられ、蒋介石が師と仰いだ曽国藩は、『四耐四不訣』と言われる心構えを著している。
『耐冷 耐苦 耐煩 耐閑 不激 不躁 不競 不随 以成事』
大意は、『周囲の冷たさに耐え、苦しさに耐え、煩わしさ (さびしさ) に耐え、閑な状態に耐える。つまらないことで腹を立てず、成功しても騒がず、無用な競いごとを構えず、人の言いなりにならずに、己を信じ自分の心に強さを持つ。この8つの心を養うことにより、大きな目標を成し…

今年の漢字は「新」だけれども・・・・・

政治への信頼は政治家が発する言葉の重みに比例する

12月24日の記者会見で、鳩山首相は「すべて勝間に任せていた」と強調し、調査の結果、母親からの資金提供は12億6000万円だったことを明らかにするとともに、政治献金ではなく贈与として修正申告する方針を示した。

しかし、身内からと言え、自己以外の第三者から提供された資金が政治活動に充当されていれば、政治資金規正法上の問題が発生するのであり、贈与税の申告漏れとして処理すれば、違法行為を免れるとばかりの説明、弁明には嫌悪感すら感じた。

鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の虚偽記入額は5年間で計約3億5900万円に上り、報告書の個人献金やパーティー券収入の6割は…

国会は国権の最高機関です。

まず、国会議員は「選良」としての役割を果たしてください。

民主党の小沢幹事長は「内閣と与党は一体。国会で与党の質疑は不要。」と言う。鳩山内閣は、国会の絶対多数を権力基盤として、内閣主導を志向する。しかし、日本は、法治国家であり、最高法規である日本国憲法には、前文に、国民主権が謳われ、権力の行使は、選挙で選ばれた国民の代表が行うと書かれている。41条には、国会が国権の最高機関であることが明記され、66条には、内閣が行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負うことが規定されている。つまり、内閣が国会の意志に先んじて執行権を行使することは憲法上不可能であり、たとえ、衆参両院で与党の議席が過半数を超えているとしても、民主主義下では手続きを省略・無視…

社会システム全般の改革の必要性を国民に説明すべき

枯死寸前に見える自民党だが、地方にはまだ丈夫な根が残っている

衆議院選挙で自民党が歴史的な惨敗を喫し、政権交代が実現した。経済成長戦略を掲げ、敗戦後の日本を世界有数の先進国に導いたプロセスから、政治の役割を持続・安定へ移行させる途を国民自らが選択したということである。
日本は、経済成長で生ずる税収増が、社会保障や地方に対する補助金、交付金制度の拡大いわゆる行政サービスの高度化に充てる財源であり、経済成長がなければ、少子高齢化の進行による医療や福祉給付の自然増に対応できないばかりか、所得や地域間格差を縮小させる「富の再分配」ができずに格差を拡大させることは必至である。残念ながら、自民党は政権党として、社会システムの改革プランを国民に示すこ…

澄田信義前島根県知事を偲ぶ

9月13日(日)午後2時から、くにびきメッセで偲ぶ会が執り行われます

澄田信義前島根県知事には平成21年6月13日午後9時16分内臓疾患により逝去されました。澄田さんは、旧国鉄の常務理事職員局長を経て、昭和62年4月、島根県知事に当選され、5期20年に亘って県勢振興に尽瘁されました。「至誠通天」を座右の銘として、まさに誠実一途で高潔な人柄は、誰からも信頼される知事でした。就任記者会見で「島根県は出雲・石見・隠岐の一体的な発展こそ目指すべき道であり、豊かな自然と神々の時代から受け継いできた歴史・文化の輝きは、日本人をリフレッシュさせる場所に相応しいと思っている」と述べ、荒神谷の銅剣、加茂岩倉の銅鐸に象徴される出雲古代文化の継承・展示を平成19年3月、古代出雲…

新型インフルエンザに対する過剰反応を危惧する

浮き足立ってしまっているがもっと冷静な対応をすべきだ

テレビ、新聞など全メディアで洪水のような新型インフルエンザの感染報道が続いている。
厚生労働省は、5月16日、神戸市内の同じ高校に通う高校生3人について、国立感染症研究所の検査で新型インフルエンザ感染が確認されたと発表し、その後も、兵庫県下や大阪府で海外渡航歴のない高校生などへの感染が報告され、学校やクラブ活動など通常生活下で感染拡大は現実的なものとなってきた。すでに、各地で感染予防のためイベントや修学旅行などが中止され、学校や幼稚園、保育所では感染のおそれがあるとして、休校、休園(所)しているところもある。
しかし、専門家によれば、今回の新型インフルエンザは感染…

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