和而不流(和して流れず)

Columns

高校での必修単位の未履修について

高校の予備校化は、ついに必修単位の未履修や架空評価にまで発展しました。学校5日制や学習指導要領の改訂に伴う修得単位数の変更等によって、高校での1教科あたりの授業時間数は減少しています。
学力低下が懸念されるなかで、学校は否応なく大学受験への対処が求められており、進学校では受験科目の重点的なトレーニングが常態化してきました。
今回明らかとなった必修単位の未履修は、高校教育の目的が「社会人として必要な知識習得」から「大学受験に必要な知識習得」に変質していることを如実に顕したものであり、座視することはできません。
大学センター試験まで3ヶ月という時期に、未履…

「政を唱る夕べ」を終えて

11月6日に出雲市平田文化館で、声優の栗田貫一さんを迎えて「政を唱る夕べ」が開催され、1017名もの方が参加がありました。第一線で活躍する芸能人の話術には瞬時に聴衆を魅了する力があり『さすが』と思わせるに十分でした。
全国のコンビニで言われる「いらっしゃいませ・コン二チワ」「よろしかったでしょうか」「○○円からお預かりします」という新しい日本語マニュアルを例示して、若者の語彙力の不足を笑いのなかで世の中の問題点を鋭く指摘されていました。
栗田さんは「毎日ほとんどの全国紙を丹念に読んで、世の中の動きに即応したネタでトークしなければ、即座に仕事が無くなってしまいます」…

「知事選」への意欲表明に思う

5期20年の澄田県政の幕引きが確実な情勢のなか、西尾理弘出雲市長が来春の知事選出馬に意欲を表明された、との報道がありました。昨年4月の2市4町合併による市長選挙からわずか1年6ヶ月。合併協議で合意された「新市建設計画」の具体化は、まだ、ほとんどが未着手の状況です。
「合併から5年が勝負」とエネルギッシュに語ってこられた西尾市長に新市の舵取りを託した一人として『2市4町の合併を指揮した責任者として、西尾市長は14万市民に対し、新市建設計画の着実な実施を図るため、己の役割を果たすべき』と、敢えて、申し上げたいと思います。
西尾市長の力量は、島根県知事の職を勤め上げるに…

しじみのチオベンカルプ残留について

食品衛生法の改正により、本年5月29日から残留農薬等に関する新しい規制(ポジティブリスト制度)がはじまりました。これは、輸入農産物から大量の残留農薬が検出されたことに端を発したもので、魚介類には基準値が設定されていないため、一律基準 (0.01ppm)が適用されることとなりました。
島根県は本年7月から宍道湖や神西湖周辺でシジミの残留農薬検査を実施し、麦作に使用する除草剤の成分であるチオベンカルプを検出したと発表しました。宍道湖漁協では基準値を超える水域での操業や出荷は停止しているとのことですが、風評被害が心配です。
宍道湖のヤマトシジミは島根県が全国に誇る特産品…

定例県議会の論戦を聞いて

11月定例県議会の冒頭で澄田知事は「知進知退」と、今期限りでの勇退を表明されました。一般質問には14人の議員が立ちましたが、ほとんどの議員から知事に対して『労い』の言葉が発せられたのが印象的でした。
今議会では、臨時国会で教育基本法の審議が行われており、また、「いじめ」「未履修」などの問題がクローズアップされていることから、多くの議員が教育問題を取り上げ、新任の七五三勝巳教育委員長の登壇機会が度重なりましたが、さすがに元六日市町長、教育長の経歴に違わぬ、貫禄十分のソツの無い答弁でした。
ただ、執行部答弁を聞いていると、行政は「取締機関」の観があり、いつの間にか住民…

道路特定財源の一般財源化について

ガソリン税や自動車重量税など道路整備を目的として自動車の所有者、使用者から徴収している税収(道路特定財源)を平成20年度から使用目的を定めない「一般財源」とする方針が政府・与党によって決定されました。
ガソリン税など道路関係の税率は、現在、法定の2倍以上とする「暫定税率」が適用されており、道路整備予算が残余すれば国庫に繰り入れする「一般財源化」ではなく税率を引き下げするのが原則です。
今回の改正では「地方の道路整備は必要」として軽油引取税などの地方財源は対象外とされましたが、道路整備は全国共通の社会資本として一定水準を国が保障すべきであり、都市部と地方で大きな税収…

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