和而不流(和して流れず)

Columns

国旗・国歌への敬意

教育現場で一般常識を欠く行為を許容してはならない

大阪で、卒業式や入学式での国歌君が代の起立斉唱をめぐり再任用を拒まれたとして、大阪府立高校の元教諭が2月23日、大阪地裁に大阪府に対し損害賠償を求める訴訟を起こしたと報道されている。過去、東京都で同様の裁判があり、「卒業式、国際スポーツ競技の開会式などの種々の行事や式典において国旗の掲揚や国歌が演奏される際、一般の人々の対応は、ごく自然に国旗や国歌に対する敬意の表明を示しており、国際社会においては、他国の国旗、国歌に対する敬意の表明は国際常識、国際マナーとされている。他の国の国旗、国歌に対して敬意をもって接するという国際常識を身に付けるためにも、まず自分の国の国旗、国歌に対する敬意が必要…

金正恩委員長の高笑い

北朝鮮の五輪参加表明は核開発の時間稼ぎでしかない

韓国は北朝鮮の平昌五輪への参加表明を歓迎し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は北朝鮮選手団の派遣費用負担を検討し,女子アイスホッケーでは特別枠で韓国代表チームに北朝鮮の選手を加えた合同チームで出場と伝えている。国際社会は北朝鮮の五輪参加表明後に、カナダ・バンクーバーで開催された北朝鮮問題を話し合う関係20ヵ国の外相会合で、北朝鮮への圧力強化が合意・確認されたことで明らかなように、平昌五輪を利用した北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル開発の時間稼ぎを許容していない。韓国は冬季五輪の成功に向けた融和を鼓舞、強調するが、過去の北朝鮮外交の歴史を見れば、大会終了と同時に朝鮮半島情勢の緊張感がより高まること…

2018年頭所感

「新しい道を創る」

昨年、島根県の推計人口は69万人を割った。県も市町村もこぞって最重要施策に「地方創生」を掲げ、様々な人口定住対策を実施しているが、効果の発現は限定的で、厳しい状況が続いている。昨年、シンクロナイズドスイミングのナショナルコーチである井村雅代さんの講演を聴講した時の「一流は道を創る」という言葉が耳に残っている。新しい道を切り拓くためには、周りから浮いてしまう場合があっても、恐れず進むことが大切との論旨に、随分前に聞いた「クマバチは何故飛べるのか」という話を思い出した。クマバチの体はゆうに2cmを越えているが、羽は小さく、常識では(科学的・航空力学的には)とても飛べないと考えられるが、花から…

「NATO」

次期通常国会では有事や次世代の負担について徹底議論を願う

「NATO」と言えば「北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization)」でアメリカと欧州周辺29カ国の集団防衛協定のことを想起するが、先日、ある講演会でもう1つの『NATO』について聞いた。それは『No Action, Talk Only』の略で、以前は、東南アジアの新興国やアメリカのシリコンバレーなどで「リスク取らない」「行動しない」「コミットしない」 の3点セットでなかなか行動しない日本企業や日本人を揶揄する言葉として使われ、B2Cビジネスでの出遅れを指すビジネス造語だが、近年は、議論ばかりで有言不実行の日本の政治家を揶揄する言葉として使われる…

戦いは五分の勝利をもって上となし

武田信玄の『甲陽軍鑑』に学ぶこと

衆議院総選挙が終わりました。開票結果はマスコミの予測報道の通り、自民、公明の与党が改選議席を守り、野党は立憲民主党が躍進し、希望や共産、維新が改選議席を大きく減らしました。戦国時代の武将である武田信玄の戦略・戦術を記した軍学書である『甲陽軍鑑』に「戦いは五分の勝利をもって上となし、七分を中となし、十分をもって下となす。五分は励みを生じ、七分は怠りを生じ、十分は驕りを生ず。」とあります。自民党の政権復帰後は一強と言われる政治状況が続き、政権のおごり・ゆるみから、閣僚の失言や議員の失態、不誠実な国会対応などが内閣の支持を低下させ、自民党は都知事選に続いて都議選でも大敗しました。安倍首相は、内…

「前に行けば、前が見える」

井村雅代シンクロナイズドスイミング日本代表コーチ講演録(抄)

私は、2004年まで日本のナショナルコーチとして6回のオリンピックに臨み、その後、10年間、中国ナショナルコーチとして2回のオリンピックを戦った。日本は、2012年のロンドンオリンピックで6位」と過去最低の成績となり、日本水連(全日本水泳連盟)から再建を託されて、2014年に日本のナショナルコーチに復帰し、9回目となるリオオリンピックでメダルを目指して戦うこととなった。
ところが、10年ぶりに復帰したプールサイドでは選手たちに言葉が通じなかった。「日本は、外国よりも外国だ。」と思う程、痛烈に、大きな価値観の違いを感じさせられた。「ゆとり教育」や「モンスターペアレント」の影響か…

国政の最重要課題が加計問題とばかりの国会対応には疑問

獣医師は大きく不足している

日本獣医師会によると1998年に29,643人であった獣医師数は、2014年には39,098人に増加し、そのうち40%強が犬猫など主としてペットの小動物を診療する獣医師で、1998年から約1.8倍になっているそうです。一方で、自治体職員として家畜の防疫対策や食肉等の衛生検査にあたる公務員獣医師は大きく不足し、公務員獣医師の定員を定める自治体20都道県のうち、島根県を含めて12道県が定員に満たない状況があり、検疫や鳥インフルエンザ、口蹄疫対策など、畜産振興や食の根本的安全の観点からも獣医師の確保が課題となっており、6月定例県議会の質疑では中四国9県全てで公務員獣医師の不足が明らかにされまし…

溝口県政10年の評価について

中央新報のアンケートに次のように答えました

山陰中央新報社は、6月上旬、溝口善兵衛知事の県政運営について島根県議会議員36人と県内市町村の首長19人に対するアンケート実施し、その内容を6月26日の紙面で紹介しました。
アンケートは、「産業振興」「結婚・出産・子育て」「若者の雇用」「1次産業振興対策」「原発・エネルギー対策」「三江線対策」「社会インフラ整備」「U・Iターン対策」「医療・福祉」「中山間・離島対策」「その他」「なし」の12項目の中から、溝口知事の就任から10年で、『成果が上がっていると評価できる項目』と『不十分な項目』『今後重点的に取り組む項目』を1つ選び、その理由を記述した上で、県政運営全般について100点…

2017年頭所感

「省く」

国の役所に「省」とあるのは、「曾子曰く、吾れ日に吾が身を三省す」から付けられたもので、「省く」には「良いところを残し、悪いところを省く」という意味があり、社会の発展にともなって、必要なものだけを残して省き、新たに必要となることにきちんと対処すべきとしてこの字が充てられたと聞いています。

論語のなかに、「賢を見て斉しからんことを思い、不賢を見ては自ら省みるなり」とありますが、人の生き方と政治(行政)にあたる心構えには相通じるものがあり、「人の振り見て我が振り直せ」とばかり、先進地に学ぶという姿勢と、「絶えず必要でないものを省く」という意識でスクラップアンドビルドを徹底し、限ら…

「敬怠に勝つは吉、怠敬に勝つは滅ぶ」

平成29年度の政府予算で感じること

800年ほど前に中国で朱子と劉子澄によって、四書五経をはじめとする古い書物の中から大切な教えを『小学』としてまとめられた古典の一節に「古の小学、人を教うるに、洒掃、応対、進退の節、親を愛し、長を敬し、師を隆び、友に親しむの道を以てす。皆身を修め、家を齊え、国を治め、天下を平らにするの本と為す所以なり」とあります。その意は、「『小学』においては、まず人を教えるのに洒掃、応対、進退の大事なところ、そして親を愛し、目上の者を敬い、先生を尊び、友を親しむ。そういう道を教えることは、自分の身を修め、家を斉え、国を治め、天下を平らかにするもととなる(洒掃は掃除を意味し、応対は挨拶、進退は立居振舞いを…

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