県議会だより

Reports

平成29年9月定例県議会一般質問(前文)

日本社会の高齢化と生産年齢人口の長期化に関する考察

台風18号が日本列島を駆け抜けた刹那、東京では「解散風警報」が発令され、政界天気図は風雲急を告げてきました。
高齢化の進行で日本は働き手が減り、活力が低下し、将来は極めて暗いものになるとアナウンスされています。
「生産年齢人口」は年齢別人口のうち労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口層と定義され、日本の生産年齢人口は1996年から減少に転じ、90年代前半には8700万人だった生産年齢人口は、2016年には7600万人と、約20年で1割強減ったと言われています。加えて9割を超える人が高校へ進学し、8割を超える人が大学や専門学校へ進学しますから、15歳から20歳…

平成29年9月定例会一般質問(1)

高齢者の社会参画促進について

厚生労働省が2017年7月に発表した簡易生命表では、2016年における日本の平均寿命は、男性が80.98歳、女性が87.14歳です。明治、大正時代に男性42~43歳、女性43~44歳で推移してきた日本人の平均寿命は、第2次世界大戦前に50歳ラインを超えることはなく、戦後の1947年の調査で、初めて男女とも50歳を超えました。
以降、乳幼児死亡率の低下や、社会情勢・健康・食料事情の安定化、さらには戦死の要素が無くなったなどから1960年までに男性65.32才、女性70.19歳と飛躍的に上昇し、その後も、若干、緩やかになったものの、ほとんど変わりないペースで今日まで上昇傾向が続い…

平成29年9月定例会一般質問(2)

宍道湖の藻について

小生は3歳から6歳まで宍道湖縁で過ごし、斐伊川河口や平田船川、湯谷川の下流域の環境に多少の知見を有すると思っています。河川、宍道湖を問わず、原因はわかりませんが、今年の藻の繁茂は異常です。
宍道湖の管理者である国土交通省出雲河川事務所や宍道湖の流入河川を管理する島根県や松江市、出雲市も相応の努力はされていますが、対策が追いつかない状況で、まもなく宍道湖の藻は腐れ、異臭を放ち、湖底に堆積してヘドロとなることは必至です。
通常、刈り取った藻は一般廃棄物として焼却処理をするのにまた大きなコストがかかるとされ、それは道路や川土手などの除草も同じで、藻や草類の有効活用を考え…

平成29年9月定例会一般質問(3)

幼児教育について

平成30年度から幼稚園やこども園、保育所の指導のあり方を規定した幼稚園教育要領、こども園教育・保育要領、保育所保育指針が改定されます。
その主たる内容は幼児教育の開始年齢を大幅に引き下げる(早期に)こととされ、幼、小の連携をより強化することと聞いております。
しかし、島根県教育委員会の組織には「幼児教育」の文字はなく、教育要領改訂にかかわるセミナーや講習などの取り組みはアナウンスされていません。8月に教育センターで幼小の連携講習がされ、ビッグハート出雲で教育要領に関わる研修が開催されたようですが、教育委員会のホームページ上での周知はなく、保育所からの参加は7名、こ…

平成29年9月定例会一般質問(4)

中央病院について

本議会に提出された平成28年度の病院事業会計は、資金収支に大幅赤字を計上する極めて厳しいものとなりました。仄聞するところでは、平成29年度上期の経営状況はその比ではないとのことであります。
翻って、島根大学付属病院は平成28年度は過去最高の経営収支となったと報告され、医学部や大学病院の関係者が出雲市や近隣経済団体と協議会をつくり、大学や病院の医療体制、実績をアナウンスする取り組みがジワジワと功を奏してきたのではないかと感じています。
2月にも指摘しましたが、巷で「中央病院の患者が少なくなっている」と囁かれています。島根県では毎年、4000~5000人の人口減少があ…

平成29年9月定例会一般質問(5)

第11回全国和牛能力共進会宮城大会について

島根県は9月7日から宮城県仙台市の夢メッセ宮城で開催された全国の和牛を集め優秀性を競う“和牛のオリンピック”「第11回全国和牛能力共進会(全共)宮城大会」に、全9区で26頭の精鋭を出品しましたが、入賞となる優等賞獲得は4区に止まり、目標としていた全9区での入賞は果たせませんでした。
対照的に、隣県の鳥取県は種牛と肉牛の両観点から総合審査され“花の7区”と称されている部門の肉牛審査で全国1位となるなど、島根県と明暗を分けました。近年、鳥取和牛は市場評価が急上昇しており、「白鵬85の3」や「百合白清2」など全国トップ級の種雄牛育成で…

平成29年6月定例県議会一般質問(1)

森林環境税(仮称)について

今年になって、娘の結婚や全国イベントで何度か長野、北陸の新幹線に乗る機会があり、沿線の地域を見るなかで少し感じることがありました。
北陸新幹線開業で観光客が増加し、勢いを感じる石川県を代表する温泉はと言えば、山中、和倉、片山津。その中でも、トップにあげられるのが、旅行新聞新社が主催する「日本のホテル・旅館百選]で三十六年連続で総合一位に選ばれた「おもてなしの宿」として有名な、和倉温泉の加賀屋で、能登半島地震の被災からわずか一月で、奇跡的に営業再開を果たした宿の女将である小田真弓さん。
長野県八ヶ岳山麓の茅野市で「住民とともに作る地域医療」が、国が進める「地域包括ケ…

平成29年6月定例県議会一般質問(2)

働き方改革への対応について

国は「働き方改革」を「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」と位置づけ、多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するとして、残業の縮減や休暇・休日の増加を掲げています。
しかしながら、民間事業者にのみ、残業の圧縮や規制を課すばかで、官庁や公立学校の教員の働き方改革の話は聞こえてきません。
過去、県庁職員の残業、教員の長時間勤務の実態についてお尋ねし、年間1000時間を超える残業が珍しくない実態をご答弁いただいていますが、まず、公務員の働き方改革、警察や教員をはじめ県庁職員(議会や財政担当職員)の…

平成29年6月定例県議会一般質問(3)

保育士の待遇改善と保育の「質」確保について

東京都が職責や勤務年数に応じて賃金体系を定める人事制度の導入を条件に2017年度から保育士1人あたり月額平均4万4千円の給与補助を行なうとしたことをきっかけに、 国は、保育所等で働く全職種の給与を2%(月額6千円程度)改善し、民間の認可保育所で働く経験年数七年以上の中堅保育士約10万人を対象に、「副主任保育士」「専門リーダー」の役職を新設し、月給に4万円を上乗せし、 経験年数3年以上の若手向けに「職務分野別リーダー」職を新設し、研修修了を要件として月給5千円を加算する「待遇改善」を発表しました。
厚労省によれば、保育士の離職率は、年間に10%を超える。また、潜在保育士に対する…

平成29年6月定例県議会一般質問(4)

旅館・ホテル業界を取り巻く環境について

島根県旅館ホテル生活衛生同業組合の平成29年度総会が開催され、昨年1年間で全体の5%にあたる11件の廃業・脱退が報告された。主たる理由は業績不振の2件を除く理由は事業者の死亡または高齢による廃業で、後継者がいないというものです。
国はインバウンドに対応するためとして従来の旅館業法を大幅見直しを行い、『民泊』を合法化したが、従前から事業を継続している法人や個人の施設に対する規制は強化されこそすれ緩和はありません。加えて、ここのところ、県内にはホテルチェーンや外部資本による施設買収や施設新設が相次いでおり、地元の事業者は苦境にさらされているのが現状です。
県では、昨年…

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