和而不流(和して流れず)

Columns

「いのち(平和)を守る覚悟」について再考する

テロや争乱に備えた情報収集や安全対策を徹底する必要がある

2013年1月16日、アルジェリア南部イナメナスの石油施設で武装グループが日本のプラント建設メーカー日揮の関係者を含む多数の人質を取って立てこもり、アルジェリア軍の掃討作戦によって武装勢力、人質の双方に多数の死者が出たと報道されています。テロの犠牲になられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げます。
日本人には『人命最優先でテロリストと交渉すべき』とする考え方がありますが、世界は『テロリストに厳しく対処して公共の治安を守べき』とする方が主流で、犠牲者が出ることを覚悟の上で強行対処されることが珍しいことではありません。
1977年9月28日に起こったダッカでの日航機ハイジ…

「緊急経済対策」を聞いて感じること

給付と負担について抜本的な見直しがまず先決

インフラは日本語で「基盤」「構造」という意味で、経済活動の基盤となる道路や鉄道、電気、ガス、通信網などサービスを提供する土台となる設備を言い、公共事業で整備されるものもあれば民間で整備されるものもあります。いずれも受益者が利用料金を支払うことで整備や維持・管理に要する費用を賄いますが、公共施設として整備されたものについては税が充てられることがあり、その場合は国や県、市町村などが必要な予算措置を講じて対処します。
通常、公共事業として実施されるインフラ整備の資金は国債や地方債などの借金で調達されるため、事業の実施後に返済する必要が生じますから、地方公共団体が発行できる地方債など…

年頭所感 2013

「生の意義」を考える

『足ることを知る者は富めり。強めて行う者は志有り』老子(中国・春秋時代の思想家)
(意訳)
「足るを知る」ことの価値を知ると今が幸せだと思うことができる。「志をもって努力する」ことの価値を知ると、さらなる幸せを目指して、生き生きと生活できる。

人間は欲深く「足るを知る」ということがありません。ほぼすべての人間がものに飽かされるということを知らず、お金や物は言うにおよばず、名誉や名声、地位、権力などを求めて奔走していると言っても過言ではありません。
私たちが生きるために必要な知識は、家庭や学校、職場などで「世間知」という形式で身につけること…

国民の審判は下った

経済の低迷と中韓との関係悪化というなかで体制の立て直しは待ったなし

12月16日に行われた第46回衆院選は、自民党が過半数を大きく超える議席を獲得し、連携相手の公明党と合わせて全議席数の3がの2超える大勝となり、平成21年の衆院選で歴史的な政権交代を果たした民主党は地滑り的な敗北を喫し、政権を明け渡すこととなった。自民党の安倍総裁は大勝の要因について「自民党への信任と言うより民主党の政権運営への拒否という意味合いが強い」と述べている。全国的に投票率は低迷し、自民党の比例得票、獲得議席ともに伸び悩んでおり、島根第1選挙区の出雲市第1投票区域(旧平田市の区域)でも、民主党が選挙区、比例ともに前回の得票を半減させるなか、自民党も前回の得票をキープできず、維新な…

衆議院選を前に

国の有り様について真剣に考える機会としてください

民主党は成長を前提とする利益配分構造から脱せないままだった自民党の一党支配を崩す役割を果たしました。時代の要請に応えるために、しがらみを排し予算のムダを排除するという民主党の主張は、徹底した情報開示による予算編成の透明化がまず必要で、首相直属の国家戦略局によって国家ビジョンを策定するとする構想であり、劣化した社会システムを変えてくれるかもしれないと小生も期待しました。
しかし、民主党政権は国民の期待を大きく裏切りました。政権与党としての力量と人材の不足は政治主導どころか官僚台頭を招いた観さえあります。鳩山首相の躓きは米軍普天間基地移設問題の迷走によって外交的な敗北を喫したこと…

民、自の党首選挙が終わったら直ちに総選挙の実施をすべき

政権党は「最大公約数での妥協」を旨とする政策協議の場をつくれ

民主党と自民党の党首選が喧しくなってきました。日本国憲法第67条に「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」とあり、間近とされる衆議院総選挙でいずれかが衆議院の第1党となれば、党首が総理大臣となるわけですから、民、自の党首選が「総理大臣候補を決める選挙」と揶揄される所以です。政権交代可能な2大政党制を志向し、1996年10月の第41回衆議院議員総選挙から小選挙区比例代表並立制が用いられ、衆議院総選挙の結果は実質的な首相選出の選挙に直結するようになりましたが、一方で、1989年の参議院選挙以降、参議院での与野党間の議席差が縮小あるいは逆転し、衆参の議決が異なる事態が起…

何もできない政治が続いては日本社会が崩壊する

国会で法律案を通過させ、政策を実行するためには「多数」が必要だ

2010年の参議院選挙で民主党が敗北し、国会が衆参の多数が異なる「ねじれ」となった時に『日本は「間違った政策」で失敗する可能性よりも、「何にもできない政権」で日本が沈没していくことになるであろう。「間違った政策」の失敗なら、「責任をとらせて、政権交代させること」が可能だが、「何にもできない政権」からは、無責任・相互不信・無気力という恐るべき退廃が生まれて来るであろう。』と危惧する評論がありました。政権を担う与党の責任は、政治の意思決定のシステムを確立させ、政策を迅速に機能させることにあります。日本は法治国家ですから、政策立案・執行に必要な法律および予算は国会の議決を得る必要があり、議院内…

「想定外」。動き出した竹島領土権問題

李明博大統領の上陸によって世論喚起が図られました

島根県議会は平成17年に「竹島の日を定める条例」を制定し、2月22日を「竹島の日」と定め、竹島問題についての国民世論の啓発を図ることとしました。島根県と島根県議会は再三に亘って政府および国会に対し、国際司法裁判所への提訴を含む韓国の不法占拠に対する毅然とした外交的対処、教科書への記述による学校教育での対処、政府部内への担当部署設置など、領土権確立に向けた具体的措置を求めてきましたが、その対応は極めて鈍いもので、毎年2月に開催する「竹島の日記念式典」への政府関係者の参席は見送られ、ようやく本年4月に憲政記念館において超党派でつくる領土議連の協力によって東京集会を開催しましたが、メディアの露…

ロンドンオリンピックが閉幕しました

勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。

ロンドンオリンピックで日本選手は過去最多のメダルを獲得する活躍をしました。従来の大会よりも多くの競技種目でのメダル獲得の要因には、2000年9月のスポーツ振興基本計画に基づいて設置されたナショナルトレーニングセンターで、陸上、テニス、体操、バレー、バドミントン、ハンドボール、バスケットボール、柔道、卓球、ボクシング、ウェイトリフティング、レスリングなど、多岐に亘る競技のトップレベル競技者が専門かつ高度なトレーニングができる環境が整えられたことにあり、また、水泳やサッカーの活躍は全国でジュニアからの養成ができる底辺の大きさがあります。一方で、本家・お家芸とされた柔道の不振は、外国勢の台頭も…

第2次野田改造内閣の発足に思う

「民主党に人材なし」 国政の先行き見通しは暗さを増したと見る

野田首相は参議院での問責閣僚を更迭し、防衛大臣に森本敏拓殖大大学院教授を起用するなど、第2次野田改造内閣をスタートさせた。森本教授は自衛隊幕僚と外務省情報調査局安全保障政策室長の履歴を有する安全保障論や国際政治などの専門家であり、過去に安倍内閣の日本版NSCのメンバーや麻生内閣の防衛相補佐官を務め、鳩山内閣の普天間迷走に「国を誤る」など、民主党の外交・安全保障政策を鋭く批判してきた。野田首相は森本教授の起用について「安全保障に関する我が国の第一人者で、防衛情報の分析や発信に貢献いただける」としているが、緊迫しつつある尖閣など東アジア情勢よりも国の防衛にあたる最高責任者を政治家でない人に委…

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