県議会だより

Reports

平成15年11月議会一般質問(1)

シカ対策について

昭和47年、島根県は野生のホンシュウジカの自然生息地域として島根半島弥山地域約7000ヘクタールをオスジカ捕獲禁止区域に設定し、絶滅のおそれがあるとされるレッドデータブック登載動物のホンシュウジカの保護をはじめました。具体的には、鰐淵寺と日御碕周辺の鳥獣保護区と出雲大社周辺の銃猟禁止区域とともにオスジカ捕獲禁止区域の設定により、メスジカが鳥獣保護法によって狩猟が禁止されていることから事実上この地域はシカのサンクチュアリとなりました。昭和47年からの10年間、シカの捕獲がほとんどされずに保護されたことから相当数の個体数の増加があったと推定されています。
一方で、昭和50年代の初…

平成15年11月議会一般質問(2)

ラムサール条約について

宍道湖・中海のラムサール条約登録についてお尋ねいたします。
知事は宍道湖・中海のラムサール条約湿地帯登録を目指すとの表明をされました。この表明は宍道湖・中海の淡水化事業中止の決定の直後で、事業中止に伴う地域イメージの挽回という側面があることを否定するつもりはありません。しかし、現在も宍道湖周辺での野鳥の農作物被害があり、私たちのようにシカをはじめとする野生生物の保護行政のツケを一方的に負わされている関係者からすれば「何を勝手なことを言っているのか」との思いがあります。確かに宍道湖・中海は野鳥の宝庫です。とりわけキンクロハジロをはじめとするカモ類の繁殖地としては有数の場所でしょ…

平成15年11月議会一般質問(3)

構造不況対策について

金融状況の変化、制度改革により金融機関の体質強化や自己資本増強がは図られており、結果中小、零細企業への貸し出しは極めて厳しい状況となっております。貸し渋り、貸し剥がしと言われる状況も事実であり、既存債務の債務保証を担保による個人保証から保証協会保証に変更した途端、資金ショートによりデフォルトした例があるなど深刻です。特に、縫製や弱電等中国や東南アジア諸国との厳しい価格競争下にある業種は特定不況業種とされており、この10年間に事業所数は半減し、就労者は1/3になっています。銀行の融資やリース契約が拒否されるなど深刻な実態と聞いております。県では、こうした厳しい状況にある業種の状況についてど…

平成15年9月議会一般質問(1)

今期定例会の質問もいよいよ殿。寄席では大看板です。気合を入れて、通告いたしました4点について知事並びに担当部局長の見解を質したいと存じます。
生物の生存の最大理由は種の存続、生命体の維持にあることは普遍の原理原則です。通常それは「本能」「摂理」という言葉で表されてきました。しかし、いま、改めて「生を育む意義」に言及しなければならないことが少子化問題の根底だと思うのであります。「長幼の序」を基本とした東洋思想、社会規範を持つ両親に育てられた私たちの世代と戦前を全て否定する風潮の中で育った、いわゆる団塊の世代以降の親に育てられた世代は明らかにその精神構造に相違があります。国家観や…

平成15年9月議会一般質問(2)

教員の採用・勤務について

「オリンピックや国際大会に日の丸をつけて出れば島根県で教員になれるだろうか」との問いに「もちろんだわな」と答えたのですが、現行はダメ。島根の教員はまず学業、特に記憶力が優秀な人材でなければ採用試験の難関は突破できないようであります。
高校、大学の在籍時に日本一になっても、否、国際的な評価を受けてもそれを実績評価されることはありません。厳しい鍛錬を経、それに打ち克ち成果を収めたものだけが持つ、経験に裏打ちされた言葉、肉声がどんな知識にも、書籍にも勝る指導となることがあります。また「島根県は高校や大学で一生懸命やれば見てくれる、評価してくれる」ということが県出身の学生たちにどれだ…

平成15年9月議会一般質問(3)

国体の競技力向上について

長崎ゆめ総体が終わりました。昨年に比べて一、二回戦の突破はあったものの上位入賞種目は半減し、来年の中国04総体を前に結果としては惨敗でした。一昨日、国体の夏期大会が終了し、速報では競泳や飛び込み、セーリングの3競技5種目で入賞したものの(ゴルフの個人を含めると4競技6種目ですが)冬期夏期あわせた競技得点は最下位の47位とのことであります。教育長はこの現実をどのように受け止めておられるのか、見解を質したいと存じます。
平成12年度からの第3次競技力向上5カ年計画であるジュニア競技力パワーアップ事業により16年総体を見込んだ強化指定による精鋭選手強化が図られ着実な底上げがあるとの…

平成15年9月議会一般質問(4)

漁業の振興について

豊かな海づくり大会の開催まであと2週間ほどになりました。しかし、いま県内漁業の状況は大変です。今春は巻き網船団の廃業、今夏も沖合底引き船団の破綻が報じられております。昭和50年代から比較すると巻き網、底引きは半減、定置は4割減といわれており、漁価、浜値もおそろしく安い状況が続いています。ブランド力強化のため保冷パックや殺菌冷海水など鮮度保持や規格の統一等によって品質向上を図っているにもかかわらず卸値の下降傾向に歯止めがかからない状況ですが、ここ30年ほどの漁業経営体の推移をどのように見ておられるのかまず農林水産部長の見解を質したいと存じます。
海に面した島根県の振興はある面で…

平成15年6月議会一般質問(1)

知事の政治姿勢について

自民党議員連盟の園山繁であります。自動車の運転免許を取得いたしますと1年間は新米運転者を示す緑と黄色の双葉マークの表示が義務づけられます。私は胸に双葉マークのついた新米議員でありますので、言葉の稚拙なところや不十分な点はどうか寛容に、そして執行部の答弁は丁寧・親切にお願い申し上げる次第であります。
「民は賢にして愚なり、また愚にして賢なり」という。まさに言い得て妙であります。私は、現在の世相、とりわけ報道の有り様によって世論が大きく変わるなかで、政治に対する住民の皮膚感覚は極めて敏であり、鋭く真理をつくことを言い当てていると思います。 私は、この1月まで平田市議会に籍を置いて…

平成15年6月議会一般質問(2)

防災対策について

一つの事例を申し上げます。平田市に西郷土手と呼ばれるところがあります。一般県道鰐淵寺線と十六島直江停車場線の共用部分で国道431号から河下港に至る平田市西郷町地内でありますが、ここの平田船川は30年間に73回も冠水により通行止になっています。また、湯谷川の河口部は滞水被害も深刻です。20年も前にポンプ場の用地が買収されながら依然手つかずで、総合パイロット事業の完成により圃場整備され優良な農業生産の場が用意されたにもかかわらず、十分活用できない状況が続いていす。  確かに、水害常襲地帯であった平田市の治水は国、県の肝いりにより大きく改善されました。しかし、事業着手から30年の歳月は対象地域…

平成15年6月議会一般質問(3)

自然環境の保全について

ニホンジカの生息調査の方法に区画法があります。あらかじめ一定の区域を定めてその中に実際シカを何頭目視できるかという調査方法ですが、私も過去これに参加し実際に山林を踏査してきました。山林の荒廃は私達の想像以上です。ほとんどの人工林は山の中が真っ暗で、ほとんど草は生えていないのです。だから少量の雨でも土砂が流出し川は濁流となります。梅雨期ともなれば斜面・法面崩壊も顕著となっています。
私は平成9年7月12日に布勢川の土石流災害に遭い、避難生活も体験しました。この原因も密植状態の人工林の荒廃でした。山林の保水力の低下は山間農地の荒廃により下流部を直撃しかねない極めて憂慮すべき状況と…

過去の投稿

園山繁の活動日誌