県議会だより

Reports

平成22年11月定例議会一般質問(4)

原子力発電所の安全協定について

松江市鹿島町に設置されている中国電力島根原子力発電所は、3号機の建設が進んでおり、来年中に工事が完了すると言われている。プルサーマルの導入を契機に、出雲市でも原子力発電に対する関心が高まり、出雲市でも中国電力による説明会が開催された。
出雲市の長岡秀人市長は、中国電力に対し、原子力発電所の設置に関する是非とは別に、周辺市長として情報の伝達、事故時の対応、防災訓練などを主とする協定を締結したいとの意向と聞いている。県が松江市とともに中国電力と締結している安全協定に関し、県は出雲市を含めた広域自治体として協定に加わっており、周辺自治体への広報等は県の役割だと認識している。

平成22年11月定例県議会一般質問(5)

過疎化による問題点について

島根県の高齢化、過疎化の進行は深刻である。高齢化・過疎化によって過疎地の商店や医療施設のみならず一般商店や理容、美容院などが消滅し、住民の足の確保が大きな課題となっている。出生数の減少は、小、中、高校の教育にも大きな影響をもたらしている。独り暮らしや認知症の高齢者については、ホームヘルプサービスやディーサービスなどの介護福祉によって一定のサービスが実践され、地域を支えている。しかし、家事支援は介護保険の適用を受けられるものの理・美容サービスについては保険の適用は受けられない。法令で理・美容の出張サービスは認められているが、過疎地や山間地域への出張サービスはロスが大きく、恒常的に行うことは…

平成22年9月定例島根県議会一般質問(1)

人口減少の要因とその対処について

兵法経営塾を主宰した大橋武夫氏は旧陸軍の作戦要務令を用いて経営者の心する事柄を講演されています。この中の「含蓄の令」を紹介しますと、『指揮官は、軍隊指揮の中枢にして、また団結の核心なり。ゆえに、常時熾烈なる責任観念および強固なる意志をもってその職責を遂行するとともに、高遇なる徳性をそなえ、部下と苦楽をともにし、率先敢行、軍隊の儀表としてその尊信を受け、剣電弾雨の間に立ち、勇猛沈着、部下をして富獄の重きを感じせしめざるべからず。為さざると遅疑するとは指揮官の最も戒むべきところとす。これ、この両者の軍隊を危殆に陥らしむることその方法を誤るよりも更に甚だしきものなればなり。他人の非難と賞賛に心…

平成22年9月定例島根県議会一般質問(2)

公共事業による地域活力の牽引について

県職員に「公共調達(工事・備品)の目的は何ですか」と間髪を入れずに「安価に調達することです」と応えられました。私は、「なるほど」と、思いました。
明治から昭和初年にかけてつくられた公共建築物や施設には文化財として後生に伝えたいような優れたものがたくさんあります。とりわけ、地域の小学校などには何十年も経過していながら今なお立派に機能している例もたくさん見られます。
ところで、私たちが住まいする住家は築30年というと「まだ、新しい」という感覚ですが、公共建築物だと「築30年も経過し、老朽化により建て替え」となります。この、違いは何でしょうか。多分、仕事の評価が「価格」…

平成22年9月定例島根県議会一般質問(3)

マツ枯れに対する対処について

松江市では痛ましい地滑り災害が発生しました。被害を受けられたみなさまには心からお見舞いを申し上げます。
今年のマツ枯れは近年最高です。猛暑のせいもあるかも知れませんが、島根半島部西側いわゆる北山は顕著です。空中散布が中止されました。マツから他の樹種に転換すると言われていますが、そのような対策が実施された形跡は全くありません。夥しい枯れたマツもそのまま放置されています。
石垣農林水産部長、あなたは、私に、「自分はマツを守ります。」「北山の景観を守ります」と大見得をきられました。しかし、この3年間、その足跡は全く見えていません。
住民はマツ枯れ後の斜面崩壊…

平成22年9月定例島根県議会一般質問(4)

直接所得保障制度で農林水産業が再生できるか

日本の田舎社会はずいぶん長い間、農林水産業とサラリーマンを兼業することでそれなりに豊かに生活してきました。農山漁村が必ずしも共同生産社会でなくなり、直接、生産活動に参加しない世帯が居住する、いわゆる混住化が始まっても、河川や道路などの管理・清掃などに参画することでコミュニティが保たれてきたのです。
しかし、いま、ピンチです。農山漁村は生産・販売を支えてきた共同組織の農協・漁協・森林組合などの協同組織が力を失い、生産品の価格決定権は市場から大手スーパーやハウスメーカーに移行しました。国内産品は否応なく海外からの製品、産品との価格競争にさらされ、収益性は悪化するばかりであります。…

平成22年6月定例会一般(一問一答)質問

定住対策について

生まれながらにして、離島に暮らす人は、動線確保に大きなハンデを負っている現状を考えると、隠岐地域から本土への動線確保をどう図るかは大変重要な課題と考えます。ある程度の時間的ロスは離島という地理的条件からして致し方ないとしても、生活するための金銭負担には何らかの支援をしていく必要であると考えます。人の移動が極めて限定的で、島の中で経済循環が実現していた時代ならともかく、グローバル社会の現代では、文化的な生活の水準は大きく変わってきています。
こうしたことと国道485号に指定されたことは、無関係ではないと思います。国道指定により状況の変化がありましたか。また、島根県の具体的な行政…

平成22年2月定例会一般質問(1)

知事の政治姿勢について

国は、政権交代した。国家経営の基本コンセプトが大きく変わるわけであり、多少の混乱や、手戻りは致し方ないと思う。
ただ、60年近く、国土の均衡ある発展を基本コンセプトにした行政主導の政策給付から、政治主導の個人に対する現金・現物給付への変更に国民合意があるとは思えない。
選挙で示された民意は、永年に染み付いた政官業の癒着・しがらみを一掃することと肥大化し疲弊した社会システムを再構築してほしいと言うものである。
そういう民意は、鳩山内閣の進める子ども手当や高速道路無料化などの政策に対する国民の評価が意外に低いことに如実に顕れており、「事業仕訳」を拍手喝采し…

平成22年2月定例会一般質問(2)

知事のめざす島根県について

県は、3年前に政権交代した。澄田前知事は「県土の均衡ある発展」を企図し、石見、出雲、隠岐を1つのエリアとしてくくり、行政、交通、医療などの社会インフラを含めたネットワークの単位に、県政推進の指標としてきた。平成22年度は知事が就任して4年目、任期最終の年を迎える。
当初、知事は県の財政の再建を最大の政治課題と位置づけ、敢えて、財政規模の縮小を選択した。同時に、県内各地に出かけ、現状を自らの目で見、県民と語り、県政の課題を知り、その中から、目指すべき・行くべき方途を見つけられたと思う。
知事は「島根にはすばらしい自然があり、勤勉で真面目な県民が居る。都市化していない…

平成22年2月定例会一般質問(3)

国・県・市町村の役割分担について

知事は就任した時、「毎年の予算が、県民に対するメッセージ」と言われたが、予算査定や国、県、市町村、民間がやるべき役割分担をどう明確化されたか。
小生は新年度予算について大枠は支持するが、政府の景気対策を受けた地方財政に対する財源措置を受け、予算査定の匙加減が甘くなったのではないか、また、政策の優先順位が少し間違ったのではないかという危惧を持つ。
島根県は警察職員、教員を含めて県職員の給与カットによって財源を捻出している状況である。平岡都さんの手かがりを求めて冬の臥龍山で捜索する広島県と島根県の警察官の給与にも差違があることを申し訳なく思う。今回の予算や提案議案を見…

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