県議会だより

Reports

平成19年11月議会一般質問(4)

人材の育成について

島根県の人づくりの観点から、今回教育委員長に御就任されました北島委員長に御見解を求めたいと思います。
出雲市美保町に義勇の碑があります。これは95年前に荒海に遭難した船人を救助せんと敢然と沖合に出帆し、殉難した若者の勇気をたたえたものであります。県内各地にはこうした偉人顕彰の施設がたくさんあると思います。また、ほとんどの地域には戦陣に散った戦死者の忠霊碑がございます。毎年ほとんどの地域で追悼式が行われますが、学校の教員や学校の児童生徒の参列実態はほとんどないというふうに見ております。慰霊の形式が宗教儀式だからというのが表向きの理由のようでありますが、私は間違っていると思います…

平成19年9月議会一般質問(1)

島根県の再生のために必要な視点について

9月20日国土交通省は平成19年7月1日現在の基準地価を発表しました。それによると全国的には住宅地の基準地価は依然として下落しているもののその下げ幅は0.7%と鈍化しており、3大都市圏では4%の上昇となりました。商業地ではこの傾向が一層顕著で、全国では1%、3大都市圏では10.4%の上昇で、とりわけ、東京では商業地の地価上昇が17.2%、大阪で10.2%と傑出しています。
一方、島根県では依然として地価の下落に歯止めがかからず、住宅地で1.1%、商業地で2.7%の下落となっており、東京を100とした住宅地の都道府県別価格指数は7.6と15分の1で、松江市内の商業地ではわずか1…

平成19年9月議会一般質問(2)

島根発の情報発信について

全国の都道府県の認知度は北海道や沖縄、青森など地形的にわかりやすい地域や東京、大阪、京都などメディアに取り上げられやすい地域が上位で、島根県のような地域の認知度が低いことは容易に想像できます。現在は、地域のイメージや認知度がその地域で生産する農林水産物の価格にまでおよぶ時代となっていることから、戦略的な地域のイメージアップやブランドづくりの取り組みが非常に大切であります。
6月に石見銀山が世界遺産に登録された折に、山陰中央新報では一面トップの大見出しで報道されましたが、全国紙での扱いがどの程度であったかを考えて下さい。確かに今年の夏以降、銀山には多くの観光客が押し寄せています…

平成19年9月議会一般質問(3)

農林水産業と地域政策の視点について

今年の米価は過去最低水準にあり、中核的な担い手の経営収支は非常に厳しい状況になるものと予測されます。小泉内閣による構造改革によって国内農業に競争原理が導入され、「大きいことは良いことだ」とばかり担い手に業態を集積すべく農政改革に着手されました。しかし、こんな「木を見て森を見ず」という視点の行政が成功するはずはありません。 山間農地や中山間地は言うにおよばず、平場でも耕作放棄地の激増は見るより明らかです。日本の農村社会の結びつきは共同生産社会であっても、けっして財布を共有するものではありませんでした。それは、隣人が金銭的なトラブルによって人間関係を崩壊させないようにする、いわば、先人の知恵…

平成19年9月議会一般質問(4)

スポーツ競技力の向上について

スポーツ競技者に対する支援体制についてお尋ねいたします。島根国体以来、島根の競技力は低下の一方で、国体順位は40位代後半を行き来しており、まるで私の高校時代の成績表を見る思いがいたしております。それに加えて、近年の財政縮減により、スポーツ競技者に対する強化費は削減の一途でであります。
県体協では賛助会制度を設けて、企業・団体187名、個人713名から、540万円を募金し、競技力強化等に充当していますが、私はもっとこの制度の周知を徹底し、拡大すべきだと思います。社会福祉協議会にも同様の制度があり、県内全世帯と企業・団体、個人等から3億(平成18年度には1億9千万)円を超える会費…

平成19年6月定例県議会一般質問(4)

2.教育問題について (1)学校での副教材の使用について

出雲市では全ての公立学校に学校運営理事会が設置され、学校運営に地域住民の意見を活かし、学校と地域との連携をより深めることによって子供たちを伸張させていこうという取り組みが始まっております。
先月には、理事会の代表や教育委員、市議会議員などが、先進地であるイギリスを訪問して意見交換や視察研修が行われたとのことであり、学校の情報を積極的に地域に公開し、学校教育に厳しい外部評価を導入している事例が報告されました。
旧平田市では平成11,2年頃から「スクールトーキング」という事業を実施し、小、中学校に地域の様々な分野で活動する方たちを招いて、授業時間に講演や実技指導を行う…

平成19年6月定例県議会一般質問(3)

1.知事の所信表明について (3)道州制について

「5~8年後に道州制を導入」との報道をうけて、またぞろ道州制に対する議論が沸騰しそうな予感があります。国のかたちや行政範囲、道州と市町村の役割分担、費用負担のあり方など基本的な議論がほとんどないまま、道州の範囲、規模など、各論が先行しています。このまま推移すれば、道州制は、市町村の数が減っただけで、行政の当事者能力が向上したどころか、対象エリアの拡大によるサービスコストの増により、さらに厳しい財政状況に追い込まれた市町村が増加しただけの、先年の平成の大合併と同じで、単なる都道府県の合併再編となる可能性が強いと思います。

また、突然降ってわいたような「ふるさと納税」制度ですが…

平成19年6月定例議会一般質問(2)

1.知事の所信表明について (2)島根県の振興施策について

私は、過去の議会で「島根県の不況は官製支出の急激な減少による経済収縮が主なる要因であり、これを克服するために新たな投資を誘発すべき」として投資土壌を整備すべきだとの意見を申し上げました。
島根県が地理的条件を克服し、都会に伍していくためには、まず発展方向へ向かう可能性のある分野への重点投資によって「成功事例」をつくること、私は、ソフトビジネスやグリーンツーリズムなどのフレッシュビジネスに活路を見いだすべきだと思いますが、行政支出であっても「投資」と位置づけ、「支出することによって生産される効果」をきちんと検証することが大切だと思います。
投資的歳出の圧縮だけでは島…

平成19年6月定例県議会一般質問(1)

1.知事の所信表明について (1)溝口県政の基本方針について

今議会の冒頭に溝口知事の所信表明となる施政方針が示されました。
島根県の置かれた状況は厳しいものです。過疎化・高齢化・少子化の三重苦に加え、経済活動が伸び悩み、豊かと言われる自然環境も荒廃に向かっています。

前任者の澄田知事は、「国土の均衡ある発展」という国の基本政策に呼応して、「県土の均衡ある発展」を掲げ、石見・出雲・隠岐の社会基盤と道路、港湾、鉄道など交通網の整備に力点をおいた県政を推進されました。
一部に、身の丈を超えた公共投資によって県債残高が増加し、財政難を招いたとの批判があります。しかし、現在の、財政窮乏の要因の大部分は、国の急激な制度変…

平成19年2月定例会一般質問(1)

島根半島北山地域の荒廃について

出雲は日本の原風景が残っている稀有の地域だと言われ、出雲大社はその象徴とされております。しかし、出雲大社が鎮座する北山一帯の状況は容易ならざる事態となっております。
私は、この4年間、マツクイムシやシカの問題を取り上げるなかで、山林の荒廃を憂いてまいりました。平田の旅伏山から大社の弥山に至る地域の南側は山襞がほとんどなく、山裾までがまるで1枚の布きれをのばしたような地形です。数年前までは、松林が連なる、緑豊かな地域であり、出雲大社の周辺地域にふさわしい悠然たる風情がありました。
しかし、いま、この一帯のマツ枯れによる斜面崩落やシカによる剥皮被害木の放置などによる土…

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